三重県鈴鹿市の中勢自動車学校(chusei-ds.com)のロゴタイプとサイン計画を担当しました。
小学校の同級生であるカイダ設計事務所(kaidarchitect.com)の海田さんからお声がかかり、お手伝いを始めたのが2021年の夏。
中勢自動車学校は元々ロゴタイプをお持ちでしたが、
今後のブランディングも含めて考えた時に新しくデザインした方がうまく訴求できることをお伝えしたところ、
了承いただき、ロゴタイプの制作が始まりました。
実際の制作の前におこなったのが調査。
この業界のロゴについて知るためにも日本全国に存在する1500校以上の自動車学校のロゴタイプを集め、検証することから始めました。
ロゴタイプを全覧するといくつかのタイプに分類されることがわかりました。
1.名称アピール 所在地や校名が分かるという最低限の機能しか持たないロゴ
2.ダイナミック 動きやスピードを感じるロゴ
3.やさしさ 堅苦しくなく、入りやすさを感じるロゴ
4.権威 威厳、信頼性を重んじるロゴ
調査した半数くらいが1の「名称アピール」で、打ち文字を使用しロゴ化していないもの、イメージや意図がないものでした。
また、ゆるキャラと太く強いロゴ、太いロゴに淡い配色など、取り合わせに疑問を感じたりメッセージがぼやけてしまう事例も多くありました。
あと、これはどの業界にも当てはまることですが、作られてから長い時間が経過して古く感じてしまうものもかなりの量を占めます。
中勢自動車学校は老若男女が来校し、地域に開かれた場になろうとしています。
訪れる多様な人々に対して親切に接し、車のことなら何でも相談できて、また来てもえるような環境をつくることが大切な姿勢であると感じました。
こうした現状を踏まえると「ダイナミック」にして男子ウケをねらったり、
初心者や女性ウケだけをねらった「やさしさ」や、極端にイメージをつけたロゴを制作することは違うように思える。
また、信頼性は必要だが、堅苦しかったり、公安っぽい表現も合わないのではないか。
こう考えていくうちに、中勢自動車学校のロゴタイプに必要ないくつかのポイントが表出してきました。
- 地域に開かれた場(老若男女が来校)
- 業態の変化を見据えたデザイン
- ライセンス関連に必要な信頼感
- 建屋サイン、教習車、紙面、WEBなど複数の使用箇所
- 木造建築との親和性
そして、ロゴタイプとサイン計画の共通したコンセプトとして「KINDNESS」を掲げ、造形の指針としては以下のポイントを踏まえ制作を進めていくことになりました。
- 親しみを感じるやさしい形
- 視認性のよさ
- 長期間の使用に耐える形
初回のプレゼンテーションでは4案を提案。
大きさだけでなく斜めからの見え方や、遠距離からの見え方も検証。
ここでA案とB案に絞られ、それぞれブラッシュアップを重ね、最終的にはA案を選択。バランスや細部のエレメントの調整を経て、ロゴタイプが完成しました。
自立看板や名刺などへの展開。
ロゴタイプがある程度かたちになってきた時点でサイン計画も進めていきました。
ここでも「KINDNESS」の精神をもって取り組み、わかりやすさ、見やすさを大切にして制作しています。
サインで使用する文字もロゴタイプと親和性のあるものになるようエッジを丸くするなど調整を施しています。
サイン計画のプロジェクトは現在も進行中です。今後も進展があればWORKSページにアップしていきます。